静浄園について

代表　平野 滋之

１９８０年８月生まれ。大手住宅メーカーの営業職、大手自動車メーカーの生産ライン、整体院のネットマーケティング職を経て、愛知県小牧市にある大叢山福厳寺の僧侶となる。８年間の仏道修行と同時に境内山林を管理するため、造園・林業学を学ぶ。当山を下山後は独立起業し、造園を業とする「静浄園」を設立。静浄園は、「お客様のお庭を通じて心が浄化され、心の安楽を創造する空間づくり」をコンセプトとし、日々お客様の大切なお庭のお手入れを心を込めて行なっています。

初めまして。ようこそお越しくださいました。私は静浄園代表の平野です。当HPにてご縁をいただきありがとうございます。

私はもともと仏道の道を進むために仏門を叩きました。僧侶になるためには師匠の許しが必要です。そのために２年間の下積みを経て、大叢山福厳寺にて僧侶となりました。僧侶になったきっかけは、混沌とした現代でこんな私でも少しでも真っ当に生きていきたい、と願ったためでした。

私の師匠は厳しく、「僧侶は職業ではなく生き方である」と定義していました。そのため、僧侶でありながらも現代の人の役にたつことが仏道修行の中で求められることでした。難しい経文を覚え、僧侶としての所作を覚え、経典の意味を少しずつ解読し、葬儀・通夜・法事の法務を行う日々の中で、私には他に何が世の中の人のためになるのか、ずっと模索してきました。

私が修行してきたお寺は、約６ヘクタールの山に囲まれた山寺でした。毎日の修行に作務という時間があります。私は全境内山林の管理を任されていました。しかし当時のお寺では、外の作業を行う作務を担う修行僧が私しかいませんでしたし、その方法も全く無知でした。

そのため山林管理の方法を勉強し、人工林である山に入ってチェンソーで間伐をしたり、時には重機やクレーン車を使って作務を１人で行なってきました。また同時に境内の植木の剪定方法を職人さんに教えてもらいながら勉強し、境内の景観を維持するための剪定作業、植木の植栽や植え替え作業を行なってきました。本心で関わってくださる職人さんや先生が全て親方（師匠）と思い、必死で勉強を続けてきました。その結果、１級造園技能士・２級造園施工管理技士というの国家資格を取得することもできました。

様々な作務をこなしていく日々の中で気付いたのです。私が１ミリでも関わった植木や山の景色を見て、心の悩みや葛藤を抱えた来山者が少しでも気持ちが落ち着いたり、心が穏やかになるようなお寺の景観を作ろう。そうすることで人様のお役に立てるのであれば本望だと思っていました。

時は流れ、当山にも修行僧が増え、 １人で行ってきた作務もたくさんの修行僧と手分けして境内を綺麗にすることが叶うようになってきた頃、ふっと私の目先が外に向くようになりました。僧侶としての生き方は変わりません。

しかし、外に出て自分の知らない世界に出て、もっと身近な人と人の関わりの中で自分自身を向上させ、花木の命と向き合っていきたいと思うようになったのです。そこから師匠との話し合いを経て下山の許可を得て、一人造園を主とする静浄園を立ち上げることになりました。

たった一人で今までように限られた範囲での作務とは違い、毎日変わる現場に臨機応変に花木と向き合い剪定や作庭をするのはかなりの応用力が求められます。私は師匠に教わった言葉も今も忘れません。仏教の言葉で「山川草木」という言葉があります。「山も川（水）も草の木も全てが命であり、悟りを開く要素を持っている。あなたは人の命以外にも目を向けて身近な草木の命と向き合いなさい。」その言葉を今も忘れることができません。

私は今は造園業を仕事にしています。それはつまり、花木の命と向き合っています。生き方は僧侶ということには変わりありませんが、今は造園業の庭師としてお客様に向き合います。お客様の庭に寄り添い、心を浄化し、心穏やかになれる毎日の空間スペース（庭）を作ることは、心に潤いを与え、波立つ心を穏やかに、そして時の流れを静かなものにしてくれる。庭にはそんな力があると私は信じています。静浄園はただの庭師がお庭のお手入れをするだけではなく、それ以上の潤いや憩いをお客様に提供できるかをいつも考えてお手入れに入らせて頂きます。

どうぞご縁が叶いましたら、異色な庭師の私にあなた様の心寄り添える庭づくりに携われることができれば本望です。　合掌

静浄園　代表　平野滋之