静浄園の平野です。
天候が不安定で体の調子も崩しがちですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、本日から２日間にかけて、稲沢市にある職業訓練学校造園科の講師をしてきました。
私は職業訓練の指導員としての資格も取得しているので、今回愛知県より依頼があり、外部講師として造園校の指導員をしてきました。
職業訓練学校とは、造園関係の仕事に就職をするため１年間造園のイロハを学べる国の制度を使って運営されている専門指導学校です。
私は造園業に従事しているので、今回は約３０名の生徒さんたちに生意気ながら指導をしてきました。
内容は２級造園技能士を取得することを過程とした庭づくりが課題でした。私も２級から受講して１級の造園技能士を取得しました。久しぶりに２級の内容を指導することもあり、若干緊張もありましたが、今持っている知識やノウハウを生徒さんたちに伝えてきました。
造園は親方のやり方や考え方によって全く考え方が違います。全体の流れ、作業手順、仕上げの完成度までそれぞれ違いがあります。
剪定や伐採の時も同じなのですが、基本的なノウハウは皆ベースは同じでも、木や石は自然物なのでその場によって切りかたや作り方を変えなければなりません。
今回生徒さんたちに教えてきたのは、もちろん四目垣の基本的な縄の結束の細かなポイントややり方はもちろんのこと、石の使い方、石の意味、石の向きやなぜこの石を使ったのかを生徒さんたちといろんな話をしながら、その中で生徒さんが一番知りたいポイントを指導してきました。
最後に総評がありましたが、そこでお伝えしたことがあります。
それは、この造園の訓練校にせっかく縁があって共に仲間と学んでいるのであれば、是非とも造園を好きになって欲しいということ。
何気なく支給されている樹木や天然の石はみんな命が宿っています。授業で単に樹木を適当に扱ったり道具を扱うのではなく、皆全てに命があることをお伝えしました。
私たち庭師は命を扱う職業です。美容院的感覚で剪定するのではなく、ここを切ったら次にどう成長していくのか。お客様が理想とされている樹形にするにはどの枝を切らなければならないのかを考えています。
しかし、命の一部を切っていることを絶対に忘れてはいけないと思っています。全てが命。命を扱うのが庭師。そんなことが少しでも心に残ってくれればと思い、お話をさせて頂きました。
このようなご縁をいただいた、稲沢の職業訓練学校造園科の先生方には心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
実は勉強しているのは生徒はもちろんですが、教える側も本当に勉強になります。このような経験をこれからも積み重ねながら、命と真剣に向き合う庭師を目指して成長していきたいと思います。
今日もありがとうございました。
合掌
静浄園 平野
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